Ⅳ ティアー/ドロップ
また、夢だ。 草がそこいらに生えている以外は何もない野山で、目の前で静かに燃える焚き火の揺らめきを眺めている。飯盒が吊り下げられているのを見る限り、野外キャンプの食事みたいだ。当然だけれど手を伸ばすとあたたかい。食事にありついてもいないの…
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Ⅲ タブラ=ラサ
なだらかに弧を描く砂漠。ごつごつと盛り上がる岩場。そして金箔をまぶしたような星空の帳が金と青の美しいコントラストを描いている。ギルガメッシュと出会った折、中天に一際大きく輝いていた満月の面影もここにはない。数えてみればもうすぐ新月の頃合い…
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Ⅱ アッ=サフラー=ル=クブラー
視界を満たすは目の醒めるような眩い黄金。呼吸するだけで明滅する光が体の中まで拡がっていくような、不思議な感覚に思わず震えた。見上げた先には太陽も月もないけれど、代わりに美しい星々の描くオーロラがスプレーを散らしたみたいに空を彩っている。『…
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Ⅰ エクストラ=スーパームーン
雲の立ち込める北半球の天幕は鈍色の夜に染まっている。けれどもそこに訪れているのは静かな安寧の眠りではなく、無慈悲で無秩序な殺戮だ。世界が真っ黒に塗りつぶされていく。築き上げた文明が破壊されていく。恐怖で理性を失い、散り散りになって逃げ惑う…
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